触ることからはじめよう
by skyalley
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「怖れるべきは」


友人が19日の毎日新聞記事を紹介するメールを送って下さった
筆者は同志社大学大学院 浜 矩子教授

長文であるが 以下新聞から



緊迫した時間が過ぎて行く中、しばし気分転換の読書にひたっていたら、
次の言葉に出会った。
「人生において恐怖すべきことは何もない。あるのは理解すべきことのみである」。
くしくも、これはかのマリー・キュリーの言葉である。
キュリー夫人の物語はご存知の通りだ。
放射能研究で1903年にノーベル物理学賞、
1911年にはノーベル化学賞を受賞した。
放射能という言葉そのものが、彼女の考案によるという。


彼女のいう通りだ。知らないことは怖いことだ。
人間は、自分にとって分からないものを怖がる。
得体が知れないから怖い。
それが何物であるのかが分かれば、怖がる必要はなくなる。
幽霊の正体見たり枯れ尾花だ。


逆にいえば、知らないこと、よく分からないことは恐れて然(しか)るべきことだ。
きちんと理解出来ていない事象を、あなどってはいけない。
しっかり敬意を払って恐る恐る扱うべきだ。
そういうことでもあると思う。
準備不足の空元気は、とんでもない事態を引き起こすことになりかねない。


今、我々の目の当たりで起こっている大異変が、
「徹底理解」ということがいかに大切かを物語っている。
キュリー夫人の言葉に出会ってそう思う。
地震研究の歴史は長い。
理解は相当程度に深まって来ているはずだ。
だが、それでもなお、この恐ろしい事態が起こった。
恐れる必要がなくなる段階に、なおも、我々はいかにはるか遠いことか。


キュリー夫人が研究対象とした放射能に関わる分野を巡っては、なおのこと然りだ。
専門家たちの理解が不十分だなどと、そんなことを言いたいわけではない。
驚くべき蓄積が形成されて、今日に至っていると思う。
だが、福島第1原子力発電所で次々と発生する問題また問題をみれば、
恐れ無用のところまで、理解が進んで来ていないことは明らかだ。


地震と原子力。思えば実に恐ろしい組み合わせだ。
この組み合わせを、恐怖しないで済む日は来るのか。
その日はまだ遠いのに、この組み合わせの中で人々は暮らして来た。
これからも、暮らしていかなければならない。
このことを、我々はどう受け止めたらいいのか。


とてつもなく高い代償を払いつつ、
今、我々は知らないことの恐ろしさを思い知らされている。
断じて、のど元過ぎれば熱さを忘れるでは済まされない。
怖さが完全に払拭(ふっしょく)されるまで、理解を深める。
当面の難局を乗り切った後の原子力政策に、この課題がつきつけられる。


当面の状況を克服していくに当たっても、キュリー夫人の言葉は示唆に富んでいると思う。
福島第1原発付近では、放射能を恐れての救援物資の輸送拒否問題も出ているのだという。
運び手の恐怖は重々分かる。だが、何たることかとも思う。
これも、状況がよく分かっていないがゆえの恐怖だ。きちんと知らされていない。
そのことに伴う疑心暗鬼だ。
まさに正体がみえないから、発生する怯(おび)えだ。
この種の怯えを払拭することは、間違いなく政治と政策と行政の責務だ。
 

今の事態の中には、確かに怖いことが一杯だ。
恐れるべきこと、注意を要することが山ほどある。
だからこそ、理解不足に伴う余計な恐怖は、徹底排除しなければならない。
何が何だか分からない中では、恐怖がつのるばかりだ。
こんなことは言うまでもない。言うまでもないことを、言わせないで欲しい。


政府も電力会社も大変なことは、それこそ、よく分かる。
皆で同じ理解を共有しよう。
それが恐怖の克服への近道だ。

   以上新聞記事より転載





教授に倣ったわけではないが つれづれに読んでいた本で
次の言葉に出会った。



  わたしたちとして怖れるべきは、
  ただわたしたち自身だけだ。
  神々も運命も、
  わたしたちの感じやすい心の琴線の裏切りによるのでなければ、
  わたしたちに何の働きかけもできない。
  わたしたちの一段と低い魂に対して、神々と運命は卑劣な支配をする。 




原子力発電所から出る放射能廃棄物の処理に対して 
世界は確固たる解決法を見出していない
原発が「トイレのないマンション」と言われる所以だ
放射能を出す とわかっていながら 
処理場が無いために ある意味で垂れ流しにしながら稼働させている


ネイティヴ・アメリカンは
七世代先までを考慮に入れて決めごとをすると聞いた
怖れるべきは 知るべきは
原発の原理や 放射能の数値や 野菜の製造元や 水の出所などではなく
原発を許してきてしまった私自身だ
数え切れないほど先の先の世代にまで
負の遺産を残しつつある生活を甘受してきた私自身だと そう思う


これからの生き方をどうするか 日々そこが問われている


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by skyalley | 2011-03-28 16:00 | こころへ教室日記
フランスの影 日本の光



数日前 私は孫息子を連れ 友人と馬事公苑にでかけた
震災後 しばらく外出がためらわれた一週間があったが
それが過ぎた週末
多くの家族連れが 早春の日差しを浴びてくつろいでいた
特に子供たちの表情は
心なしか開放感に溢れているように見えた


思いの外 強い日差しのせいか
蕾をいっぱいにたくわえた八重桜の下に黒々と広がる影
何枚かの写真を撮った
孫息子に「影があるってことは?」と問うと
彼は「光があるってこと」と応える


その時の写真をフランスの友人夫婦に送った
震災直後から何度も見舞いのメールを頂いた
元気でやっているから心配しないで と


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それに応えて届いた昨日のメール
目に飛び込んできたのがこの写真


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私の写真を受け取って後 
巴里郊外へハイキングにでかけた彼らは
この情景を見つけて カメラに収めたそうだ


「私有地内の木だったので 近づくことは出来なかったし
 出来がいい写真ではないけれど
 この木を通して せめてユキコとつながれるかな と思って」
そう書き添えてあった
by skyalley | 2011-03-23 18:21 | BUTTON日記
明治38年 1905年神奈川県・大山生まれ




90代で亡くなった父方の祖母は1905年生まれ
90代で と亡くなった年齢を明確に言えないのは
息子である私の父が亡くなった後も
妹に祖母の面倒を任せっきりで
それだけ私が彼女と疎遠であったからだ


子供の頃は彼女のすることなすことが嫌だった


たとえば水の扱い
流しの洗い桶の中に 一度使い終わった水を
捨てることなくいつまでも取っておく
たとえば紙の扱い
隠し(ポケットをそう呼んでいた)に
一度鼻をかんだちり紙をいつまでも取っておく
たとえば洗濯物の干し方
私が家族の下着を日によく当たるように干すと
祖母は「おてんとさまに・・・罰が当たる」
とぶつぶつ言いながら 日陰に干し直した
トイレに入ろうとすると 真っ暗な中にうずくまっていたりもした



その水で 使い終わったコップをチャチャと洗う
その紙で 私の鼻水を拭こうとする
「きったないよぉ ばあちゃん。。。」
よくそう言い放った
「電気つけてよ」と言っても 何にも応えないで用を足す
表情を変えることなく
訳を言うでもなく
その水を まだ張ったままにしてはばからず
私の鼻水がついた紙を また隠しに戻した


あちらもで孫がかわいいという様子がなかったので
親しみが持てないばあちゃんであった
明治38年 1905年神奈川県の大山生まれ
関東大震災
第一次世界大戦
第二次世界大戦
東京大空襲を経て 生きてきた


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近所の馬事公苑で 芽吹かんばかりのケヤキを仰いだ
木はいつものように日常を生きている


祖母のことを この頃よく思い出す
by skyalley | 2011-03-22 18:32 | うちのひとびと
絵本「いくいりぶりあむ」

グラフィック・デザイナーの千秋さんと
小さな絵本を作っている
作っては再考・再製を繰り返し
すでに4冊を数えた


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   大きいのがある 
   小さいのがある


   黒がある 
   白がある


   日本がある 
   世界がある


   かなしみがある
   よろこびがある


震災後 非常用品の袋の隅に
私はこの絵本を入れた
大人たちとの言葉の寺子屋「こころへ教室」
三歳からの「こども・ことば・ひろば」教室
それぞれの営みを通して形になった思いを
この本に込めた

 
災害が目の当たりになっただけで
実はたった今でも世界のどこかで
天災や人災による悲惨な状況が
起こりつつあり 
そして繰り返されている現実
負の側に気づいていても
覚悟が足りなかったとつくづく
今 思う


日常があるということは
常に非日常があるということでもある
日常にその覚悟を抱いて暮らしているかどうか
私という個人
そして日本国
そのことを考えさせた震災だ


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「危機」という言葉は
辞書を引く限りは 危なく不安な状態 とある
「危機」の「危」は確かに 危ない方だが
「機」は「機会」の「機」でもある
危ない 危ない と怖がってばかりいないで
この経験を
私に 日本に 世界にどう活かすかを考え
実行に移す その機会だ


暗号のような
呪文のような「いくいりぶりあむ」は
「平衡」を意味する英語
絵本「いくいりぶりあむ」は
5月5日のこどもの日にまでに完成させようと
今 千秋さんと仕上げにかかっている
by skyalley | 2011-03-20 18:29 | cocoro-e shop
死ぬ 生きる


まだ余震の続いていた朝
食事を終えた颯太がふいに私に訊いた

 ね ね そうちゃんがおじいさんになったら
 かっくんは もうしんでる?

   そうだね しんでるね

そのやりとりを出かける支度に勤しんでいた娘が小耳に挟み

 かあさん やめてよ そういう話
 そういうのって けっこう怖いんだからぁ

そう言うと 早々に食堂を出て行った

私はあらためて颯太の隣に座って
そこにあった薬の袋の裏に言葉を書きながら
颯太に問うた

    颯太 生きてるってことは?
  死ぬこともあるってこと?
    うん そう 生きているものはみんな死ぬんだ
    じゃ かっくんは目に見えてる?
  うん 見えてる
    じゃ みぃちこちゃん(私の妹)は見えてる?
  みえない
    でも 声は聞こえる?
  うん きこえる そうたぁ そうたぁ っていってる
    みぃちこちゃんのかおは見える?
  みえない でも そうちゃんのこころにいるよ
    そうだね みぃちこちゃんは颯太の心にいつもいるね
    だって 「たいせつなものは?」
  「めにみえないんだ」
    そうだね 死んだら目には見えなくなるんだよ
    でもこころにはちゃんといるの
    いつでもいるの
    かっくんのお父さんとお母さんはもう死んじゃったの
    でも いつもかっくんの心の中にいる
    死んじゃったけど かっくんの心の中に生きているの
    わかる?
  わかった じゃ さ

何を言い出すのかと思ったら
私が持っていたペンを取って
「さ」と「き」字を書いた 
そして 「さ」の一画目を指しながら

 いっぽんせんがあるってことは
 にほんせんもあるってことだね

と「き」の一画目を指さした


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by skyalley | 2011-03-18 18:30 | 孫息子・颯太言葉ノォト
「ピラミッドぉ できたよぉ!」

コンピューターの小さな画面に向かって
あれこれを片付けようとしたとき
積み木で遊んでいた孫息子の颯太が 居間から私を呼んだ

 かっくぅん
 ねぇ ねぇ ピラミッドつくろうよぉ
   ピラミッドかぁ いいねぇ
   でも今 ちょっとお仕事しなくちゃならないから
   それが終わったら いっしょに作ろうか
   すぐ終わるよぉ

私は書棚から『ピラミッド』(岩波書店 D.マコーレイ)を取り出し
颯太に見せる

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 かっくぅん ピラミッドって なあに
    エジプトっていう国の 昔の王様のお墓
 ふぅん・・・ さきに作ってるねぇ

私は仕事に戻る

 かっくぅん できなぁい これむずかしよぉ


すでに颯太は土台を正方形に作っている
しかし使おうとしている積み木は細長くて薄いので
なかなか扱いにくそうだ
好きなようにやってごらん と促すと
ぶつぶつ言っていたが そのうちに静かになったので
私も作業に集中した


しばらくすると 

 かっくぅん できたよぉ!


こちらも一段落したので 居間に行ってみた

できていた

破壊され 地図から消えそうになっている土地がある
破壊され 消え入りそうになっているたましいもある
それが目に見える形で突きつけられている その時に
颯太が「建設」したピラミッドだ


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by skyalley | 2011-03-18 17:37 | 孫息子・颯太言葉ノォト
助産院アクア・バースハウスの山村先生
0さんはご主人の留学に付き添うため
2年前に来日 以来いっしょに日本語の勉強をしてきた
その彼女は この震災時に
4月5日の出産予定日を控えている


その日の午前中 
彼女は助産院アクア・バースハウスでの検診を終え
昼食後 勉強のため私の家に来られた
同じ頃 やはり勉強に来られた文さんも交え
話をし始めたら あの地震が起こったのだ


航空会社の客室乗務員を務めている文さんのてきぱきとした声
0さんはすぐに勉強机の下に身を隠した
ようやく揺れが一段落したので
0さんに出てくるように伝えたが
あまりのおなかの大きさに はてさてどうやって出たものか


入るときは必死だったのだろう
体を横にしたり くねらせたりして ようやく出てこられたが
遠目で分かるほど体を震わせている
故郷アフリカのセネガルでは経験したことのない地震
来日してからの何度かの地震には比べものにならない


幸い同じ町に暮らしている文さんに同行してもらって
何とか住まいにしている留学生会館に帰っていった
それから待つこと数日 学術会議からようやく帰国したご主人の胸には
ヨーロッパで得られたわずかな情報
日本からの信じられない そして断片的な映像


ご夫妻は生まれてくる赤さんへの放射能の影響を考え
不安でいっぱいだ
明日の産婦人科への定期診察もできれば来週に延期したい
と電話をしてきた
はてさて どう応えたものか


私はアクア・バースハウスへ電話をした
代表助産師の山村先生が出られた
 「あぁ 不安なんだねぇ かわいそうに
  外国人の間じゃ あらぬ噂も立っているみたいだし
  大使館員が帰国しちゃうんだからね
  うちでも37週の妊婦さんが国へ帰るから 
  診断書を書いてって言ってきた
  病院では書いてくれないからね
  
  だけど日本は二度も原爆にあってるんだからねぇ
  とはいっても始まらないしね

  じゃ東京で放射能を一年間浴びても 
  一回のCT-SCANの放射能の量より少ないって
  そう言ってみてくれる?
  私だって怖いわよ 
  でも妊婦さんはもう産むしかないんだから 
  進むしかないんだから がんばってもらわなくちゃね
  よっぽど怖かったら家へ来なさい って そう伝えて」


友人として フランス語の通訳として
0さんの出産に付き添う私も 慰められ 勇気づけられた
出産予定日を3週間後に控えた0さん 
いつ産気づいてもおかしくない
どんなに自分を励ましていることだろう


アクア・バースハウスは次女がお産をした助産院でもある
山村先生ご夫妻を始め
スタッフの皆さんがおられれば
どんな状況であっても信頼しあってお産を迎えられるだろう
http://www.aqua-birthhouse.com/


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by skyalley | 2011-03-17 18:13 | ひと
「やめろぉ もういっぱい殺したじゃないか!」
大災害が発生してから
もうすぐ5歳の誕生日を楽しみにしている孫息子の颯太は
以前から好きだったアメリカのアニメーション
「ヒックとドラゴン」(HOW TO TRAIN DRAGONS」を観ている


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「ヒックとドラゴン」の主人公はヴァイキングの若者ヒック
といっても彼自身は 
族長であり無骨でたくましい父親とは正反対に
ひ弱で心優しく発明好きというバイキング中の変わり者
彼らの宿敵は 空から村を襲ってくるドラゴンたち
ヒックは傷ついて飛べなくなったドラゴンのトゥースと出会い
不思議な友情を育むことになる


トゥースを通して
実は 怖れられているドラゴンたちも
女王蜂のような存在の巨大ドラゴンに貢ぐために
村を襲ってきたのだということを知ったヒックは
「ヴァイキングは今までも これからもドラゴンと闘い
 彼らを殺す
 それがヴァイキングだ」と言う父に対し
「やめろぉ もういっぱい殺したじゃないか!」と
父に初めて意見する


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ある日 テレビのそばで黙ってぬりえをしていた颯太が
いきなり
「やめろぉ もういっぱい殺したじゃないか!」と叫んだ
驚いた私が問うと
「いまね
 かみさまにいったんだよ
 もういっぱいころしたじゃないか って
 ヒックもおとうさんにいったでしょ」
そう言うと またぬりえに戻っていった


日々テレビに映し出される被災地や被災者の惨状が
4歳の颯太の胸に こう言わせたのか


私たちが避難用の品を準備していると
彼は裏庭に出て行った 
呼ばれたので行ってみると
「ね 30こあったら みんなにたりるかな」と言いながら
粛々と泥団子を作っていた


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地震発生後 すぐに祖父に保育園に迎えに来てもらい
それ以来自宅で過ごしている颯太
最初は 保育園から借りてきて
何度も練習して上手に被れるようになた防災頭巾を頭に
家族が皆揃っていることに 少しうきうきしておやつを食べていたようだったが
不条理は彼なりに理解されている


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なぜあの惨事が
起こらなければならなかったのか
なぜあの惨事が彼らに起こって
私にではないのか
私に求められていることは
これらの不条理な問いへの答を出すことではない
自然を制御できると思ってきた
あるいは分以上の便利を享受してきた国に暮らしてきたことを省み
あらためて
この惨事からの教訓を未来へ遺すことか


それにしても
世界を震撼させるような大惨事の現場で
たった50人の会社員が命を賭している現実を
どう受け入れたらいいのだろう
by skyalley | 2011-03-16 12:36 | 孫息子・颯太言葉ノォト
おそぶさ・・・?


今日 妹と娘と孫息子・颯太と法事にでかけた
電車に乗っていて ある駅に着いたとき
扉が開いたら
正面に東北新幹線新型車の大きなポスターが目に飛び込んできた


私たち大人が「すごい形だね」
「カモノハシみたい」と話していたら
黙ってポスターを見ていた颯太が
私の方へ振り向いて こう言った


「ね ね おそぶさもあるのかなぁ」


   オソブサ・・・?
一瞬何のことか分からなかった
ポスターをあらためて見ると「はやぶさ」とある


日頃 颯太とは 右があれば? 左もある
天があれば? 地もある
日本があれば? 世界もある
というような対のクイズを出し合っているので
颯太が「はやぶさ」は鳥の「隼」ではなく
「速(はや}ぶさ」だと思い込んだこと
そして それに対して「遅(おそ)ぶさ」もあってもいい 
と想像したことを 私はようやく理解した


  そうだね 何でも速いばっかりだから
  ゆっくりのオソブサがあってもいいね
と私が応えると
颯太は「ね いいよね ゆっくりもいいじゃんね」


手すりの脇の席に男の人が座っていた
手首に入れ墨の端が見え隠れしている
颯太の方を見ながら
目尻を緩ませ 小さく頷いていた


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おそぶさ ね
by skyalley | 2011-03-06 23:46 | 孫息子・颯太言葉ノォト
三月生まる




     いきいきと三月生まる雲の奥   飯田龍太


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今日の砧公園で
by skyalley | 2011-03-02 19:02