触ることからはじめよう
by skyalley
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孫息子に遊んで「もらって」いた


9月の終わりになって
ようやく夏休みを頂いた娘のもも
孫息子の颯太を伴って
二人だけで那須の私の妹宅を訪ね4日が経った


仕事をし 家事をし
夕方になったら颯太を保育園に迎えに行き
夕飯を作り 食べさせ
ももが帰るのを待って また仕事・・・ の私


57歳で学生となり
医学の勉強に励み
合間に音楽の仕事をし
帰宅すると颯太の子守・・・ のオット


仕事の合間に颯太と遊び
勉強の合間に颯太と遊んできたはずの二人だが
颯太と一週間も離れて暮らす という初めての日々で
実は颯太に遊んでもらっていた ということが顕わになった
二人だけの夕食の後
「めりはりのない僕たち・・・」とオット


那須では雨が続いて
遅ればせの夏休みはすっかり初冬とか
ももには妹を頼りにゆっくり休んでもらいたい
颯太にはたくさんももと妹と遊んでもらいたい
妹には張り切りすぎて寝込まないようにしてもらいたい


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それにしてもありがたきは三世代での暮らし
by skyalley | 2009-09-29 22:31 | 孫息子・颯太言葉ノォト
鹿島茂さん提案の「政治家養成システム」


一国の指導者たる人間を育む機関は
本来なら国が資金を出して(口を出さず)
作られる類のものである
では誰が運営するのか 
どのように運営するのか
それが問題


前回のブログでこのように書いた
先日 幼なじみの留(とめ)さんを誘って
家族と公園に行ったとき
彼が読み終えた日経新聞を敷いて休んだ
フランス文学者の鹿島茂さんの記事が目に入った
「国が政治家養成システムを」
先の問いの答の一部になっていることを思い出した


鹿島さん曰く
「最悪の政治とは倫理観で動く政治
 ファシズムに転化しやすいから
 次に危険なのがイメージや人気で動く政治 
 一番良いのは欲得ずく
 それも先の先まで考え抜いた健全な欲得で動く政治」 

 「政治家はプロフェッショナルな職業
  そう認識して
  国家的に養成するシステムを作れといいたい
  エリートが好きなわけではないが
  社会に絶対に必要だから
  必要悪と言ってもいいでしょう」
 
 「政治家には法学部出身者も多いようだが
  過去の判例と法解釈を追う勉強は
  現実の変化に対して無力です
  行政をやるための法律の作り方を
  鍛えないとだめです
  東大法学部の政治コースだって
  政治史・学科でしょう
  政治のやり方など教えない
  政治を一つの科学として教えるべき
  あとはモラルですね」

  「フランスに国立行政学院(ENA)という
   超エリート養成機関がある
   一流大学を出た人材が入る
   官僚として働いた人が経験を踏まえて
   もう一度勉強する
   そういう一段高いレベル
   日本も政治色は排除した上で
   国が政治家の高等教育機関と作っては」

  「すぐできる改革として
   政治家になる人の資格試験の導入を提案したい
   漢字の読み書きや一般常識で
   大学入学資格検定並のレベルは
   最低限必要でしょう」
    
  「野球のメジャーリーグのように、
   政治家を1部、2部、3部とリーグ制に分け
   段階的にキャリアを積ませる
   最初は市町村長を経験させる
   次に都道府県知事か政令指定都市の市長
   それから国会議員と
   リーグを順々に移っていく仕組みにするのです」

  「行政トップには議会折衝などの技術も必要です
  若さや人気だけで当選した知事が
  議会とトラブルを起こしてダメになる例もある
  市町村長から始めるのが一番いい」

::::::::::::::::


公園の芝生に腹這いになって
留さんにその記事を読んであげた
二人で 「大賛成!」 とおむすびを頬張ったが・・・
by skyalley | 2009-09-29 21:56 | ひと
一国の指導者の条件

先日 胡 暁子さんとお会いしたとき

  世界の平和に繋がる国益を担う総理大臣職は
  プロ中のプロでなければならない
  その職務を担える人材を育む機関が緊急に必要

というような話を交わした
帰りの電車の中で
松下政経塾は今どんなふうに機能しているのだろうか 
と思い 帰宅後さっそく検索してみると
韓国最大の新聞社である中央日報の
日本語版(9月18日配信)に
    「民主党士官学校」に浮上した松下政経塾
と題し次のような記事が掲載されていた


::::::::::::::


日本で‘経営の神’として崇められている松下幸之助
(1894‐1989)が設立した「松下政経塾」が
‘民主党の士官学校’に浮上している。

民主党連立政権の執権で16日に開かれた衆院本会議で
松下政経塾出身の民主党初当選議員は6人
内閣にも2人が入閣した
2‐8選の議員23人(民主党17人、自民党6人)を合わせると
松下政経塾出身の衆院議員は計31人にのぼる

公明党(21人)・共産党(9人)など
群小政党を超える規模にまで勢力が強まり
政経塾出身政党を結成しようという声も出てくるほど
日本政治の‘台風の目’になっている
参議院が3人(民主2人・自民1人)
広域自治団体長が2人、市長が9人だ

衆院6選の前原誠司国土交通相がその代表だ
前原氏は京都大を卒業した87年、松下政経塾に入った
05年には43歳で民主党代表を務め 
‘政経塾出身1号’の党代表となった

総務相に就任した原口一博は5選議員
野党時代からずっと党総務を務めて現在の地位を築いた
政経塾1期生で
5選の野田佳彦幹事長代理は小沢一郎幹事長と親しく
民主党で大きな影響力を持つ

◇スパルタ教育30年=
松下政経塾は松下幸之助の遺言により
人間観・国家観・歴史観・日本伝統精神・政治理念・経営理念などを
必修課目として学んでいる
松下幸之助は生前
「新しい国家ビジョンが必要だ」と口癖のように話していた

松下幸之助が79年に私財70億円を出して
神奈川県茅ヶ崎市に設立した松下政経塾は
2年間無料で教え毎月20万円の生活費まで支給するため
ほとんど名門大出身者で埋まっている
25‐35歳を対象に7‐8人の少数精鋭人材を選抜し
午前7時から午後7時までハードなスケジュールで合宿教育をしている

:::::::::::::::::::



第一に
だれよりも国家国民の繁栄を
より高いかたちで生み出そうとする強い信念と実行の人
勇気と熱情の人でなければならない
熱意こそ物事をなしとげる一番の要諦

第二に
常に何が正しいか、どういう考え方が
お互い国民の繁栄、平和、幸福を生むために役立つか
あるいは
何を国民が欲しているかということに対する深い理解力
洞察力をもっていて
その理解や洞察にもとづいて国民を指導していく
いわば啓蒙者的な識見をもっているということである
そのためには素直な心で衆知を集め
説得力のあるリーダーであること

第三に
いっさいの責任はわれにありとし
おのが生命をかけてその使命を果たしていく
そういう責任感のあつい人であること

一国のリーダーである総理大臣たるものが
そのような覚悟であったとしたら
国民も大いにその指導者を盛り立てていくでしょう

新しい日本における総理大臣は
ぜひともそういう人物でなければならない
また国民としてもそういう人物を選ぶように心がけ
また選びやすいような社会の仕組みをつくっていかなければならない



以上は松下幸之助の
「一国の指導者の条件」についての考えである
このような人間を育む機関は
本来なら国が資金を出して(口を出さず)
作られる類のものである
では誰が運営するのか 
どのように運営するのか
それが問題
by skyalley | 2009-09-29 18:36 | 徳談会日記
「日本人として生きるのがうれしい時代が戻ってきた」


今朝は10時から友人の佐々木明世さんと
英会話の勉強をしていた
話題は鳩山総理大臣の国連での演説や
新政権の抱えている問題などなど
多岐に亘った


帰り際にこんな話を交わした


前政権の遺したさまざまな難問が山積みだけれど
それらに正面から取り組もうとしている姿勢が新政権に見えること
胡さん曰く「初々しさがよかった」鳩山さんの演説だったけれど
半時間もなかったとはいえ
就任10日目にして
オバマ大統領との正式の対談が実現し
歓迎されされたことが見えてよかった


今までは政治や政策について
こんなに話したことはなかった
話したって面白くもないことばかりだったからね
でもあの選挙以来 変わったことが実感できるね


私たちの生きている時代には
まだ無理かも知れないけれど
あの政治家に あの政府に国を任せたい
と希望を託せる国の指導者を頂ける国民に
孫の時代にはなるように
生きている限り できることはしたいものだね


途中で昼食も共に取り 
「明るい世」と名付けられた彼女を見送った
朝から5時間も経っていた


その直後 メールボックスを開くと
懇意にして下さっている唐澤豊さんから
以下のメールが届いていた


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

由紀子さん、

これは国際ニュース解説の田中宇さんのメルマガですが、
今回の内容はなかなか興味深いものがありますので、
転送します。

ご参考まで。



・・・・・・・・・・・・・・・

解説の最後の一節
    少なくとも日本がひさびさに国際社会のプレイヤーとして
    復活したことは、ほぼ間違いない。
    日本人として生きるのがうれしい時代が戻ってきた観がある。

これには膝を打った
転送して下さった豊さんに感謝して以下ご紹介させて頂く
「日本人として生きるのがうれしい時代が戻ってきた観がある」
とはとても思えない方は
ぜひ読んで頂きたい

田中宇の国際ニュース解説 無料版 2009年9月25日
http://tanakanews.com/
by skyalley | 2009-09-28 16:02 | こころへ教室日記
ラマダン月の勤行を終えたひと
今年7月から週に一度
世田谷・成城にある留学生会館で
日本語教師を務めさせてもらっている
世界65ヶ国から約350名が暮らしておられるので
ロビーにはさまざまな興味深い印刷物が置かれている


先日「RAMADAN TIMETABLE  1430A.H.」
(ラマダーン時刻表 1430A.H.)を頂いてきた
イスラム教徒が行を正しく行うために必要な
日の出・日の入の時刻などの情報が書かれている
世界中のイスラム教徒が勤める


年に一度のラマダン月においては
日の出と日の入の間は水も何も口にしない「断食」
収入の一部を困窮者に施す「喜捨」
日に5回 メッカに向かって祈る「礼拝」
異性に触れないなどの行を厳守する


イスラム歴1430A.H.は
西暦で言うと2009A.D.
元号で言うと平成21年ということになる
今年のラマダーン(断食月)は8月22日から始まり
9月20日に終わった


日本語の勉強のため
私の教室に来られているパパ・エリマン・ファイさん
1週間に1回 自転車で20分ほどの道を炎天下走って
入室しても水一滴呑むことはなかった
断食中だ とことさらに仰ることもなかった


先週一ヶ月のラマダン月を終えて以来
初めて勉強に来られるパパさんを心待ちにした
いつものように真っ白な歯を出して
笑顔で現れたパパさんに
私はラマダンを終えた直後の彼の心情を訊いた


  心も身も魂も とても浄化された
  新しく生まれ変わったことが実感できる
  その至福が自分にだけ起きたことではなく
  妻を始め 世界中のイスラム教徒と分かち合えることが
  何よりうれしい


厳しい行を勤め上げた生身の人を
初めて眼前にした


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by skyalley | 2009-09-27 08:48 | こころへ教室日記
「根回し」



根回し : 
① 木を移植するに先立ち、根の周囲を切り詰めて
    細根を発達させておくこと
② 事を行う前に、関係者に意図・事情などを説明し
    ある程度までの了解を得ておくこと
                  (『大辞林』 三省堂)


電話で何かを伝えようとするとき
それがこちらにとってはとても良いことであったり
あるいは反対にとても困ったことであったりするとき
電話に出られた先方に
「今 ちょっといい?」 ってなことを前置きし
それから用件を話す ということがおありではないだろうか


もう数年も前のある夕方
懇意にしている方から電話を頂いた
ふつうに挨拶を交わした後
彼が尋ねた
「ご家族はみなさん お元気?」
「はい おかげさまでみな元気でおります」
「那須のお父様はいかが?」
「・・・・・ はい 元気でおります」
「お妹さんも?」
「はい 元気でおります ありがとうございます」
「こうさん(オット)のご両親もお変わりない?」
「はい おかげさまでみな元気でおります・・・・・」


私は返事を重ねながら 怪訝な思いを拭えなかった
なぜなら彼とはつい数日前に話したばかり
にもかかわらず私の一族郎党分の安否を
全員にかと思うほどていねいにお尋ね下さった
はてさて何事?


やがておもむろに
「あのね 僕 結婚することにしたの」
「!!!!  それはおめでとうございます!」
「わざわざ文書にするような歳でもないけれど
  あなたにはお知らせしておきますよ」
「はい ありがとうございます 
  おつれあいさまにも どうぞ
  おめでとうございますとお伝え下さい」


こちらが伝えたいと思うことがあるとき
それがとてもよいことであったり
あるいはとても困ったことであったりしたとき
相手の家族に病人や心配事があっては
良かれ悪しかれこちらの用件を受け入れられる状態にはない


前もってしっかりと「根回し」をして
こちらの用件を余裕を持って聴いてもらえるようにすること
それがたとえ素晴らしく良いことであっても だ
常々心配りについては至れり尽くせりの方であり
私は今までに多くのことを教えて頂いたが
そのことも今年92歳になられるその方から教わった


「木を移植するに先立ち、根の周囲を切り詰めて
  細根を発達させておくこと」
本来は植樹をいのちとしてきた日本人の文化から生まれた 
「根回し」という言葉に
そして その言葉を体現してくださった方に
あらためて感謝している 


メールでのやりとりが益々盛んな昨今
見習いたい
by skyalley | 2009-09-25 20:39
ではよい一週間を
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京都に暮らす京都生まれの友 万里たわし
ご近所の方の郷から分けて頂いた花を
家中に活けて お裾分けして下さった


 よい一週間を


と一言添えて


30年ぶりに電撃的な再会を果たし
紆余曲折を経てよき伴侶となったひとと
以前にも増して四季を愉しむ暮らしとなった


何だか立ち上がりが悪いな と
少し重い心身を起こし開けたメールボックスに
こんな便りが待っていてくれた


それも何週間前のことだろう
返事をしない私に何も言ってこない
何も求めてこない


そしてまた
初秋の京をお裾分けしてくれた



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鴨川沿いでお年寄りのパーティ


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馴染みの蕎麦屋で最後の蕎麦掻きにありついたところ




オットなら
 「なかよしの写真はいいから蕎麦を送って来て!」
と一言あるところ


もう何年も会っていないけれど
今生彼女に出会えた
そのことだけで十分
by skyalley | 2009-09-24 11:09 | ひと
『出星前夜』 飯嶋和一


 豊臣秀吉の妄想から発せられた愚かな戦の先兵として、数え二十一で海を渡って以来、鬼塚監物はいつも孤立無援の寒々とした異境に立っていた。やれ南目きっての勇将だの、あれが地獄の鬼も恐れる監物だの、人々は勝手に語っていたが、当人は生き延びることなど一切願わず、ただここを最期と定め、敵の矢玉を浴びながら降りかかる白刃を払い、狂ったように敵めがけて槍や刀をたたきつけてきただけのことだった。
順天倭城を脱出した際に左膝上を撃ち抜かれた折も、郷里を遠く離れ、こんな異境で腹をすかせ死ぬなどという感傷めいた思いは微塵もなかった。むしろ、もうこれで戦の後のひどい嘔吐感に悩まされずに済むのだとの安堵の方が強かった。

 外見からは想像もつかないが、人一倍感じやすい心を持っていた若き鬼塚監物にとって、水軍衆として生きるということは、殺される恐怖と、他人を殺した悔恨とに責め続けられることにほかならなかった。秀吉の虚言癖によって創作された戦の大義など殺人を正当化するだけの欺瞞であり、何の説得力もなかった。守銭奴の生臭坊主どもの口先ばかりの教義や、保身しかない御用儒者などが唱える道徳律など、常に安全なところに身を置いている連中の単なるお題目に過ぎない。彼らの生き様を見れば鼻白むばかりのことだった。物欲と野心とに入り乱れた憂き世で、修羅を燃やして生きることはただ耐えがたいものだった。

 身体中に張られた湿布薬の酢の臭いは、やがて一人のポルトガル人の面影を鮮明に浮かび上がらせた。監物が数え八つの春、転んだ拍子に細竹の切り株が左手の薬指と小指の間に突き刺さり甲まで突き抜けた。その傷口が化膿して左手は倍ほどにも腫れ上がり高熱を発して起き上がることもできなくなった。どこかでそれを聞きつけた『いるまん(修道士)ドミンゴ』は、屋敷にやって来るなり細刃の小刀で監物の傷口を広げ、そこに口をつけて膿を吸い出した。鼻を打つアラク酒で丹念に消毒し、傷口を縫合し治してくれた。乾燥させた梔子の実の粉末と酢と小麦粉とを練って作る湿布薬も、『いるまんドミンゴ』がその時に施してくれたものである。お前の生命の恩人は『いるまんドミンゴ』だと両親からは何度も聞かされた。

 だが、左手の傷を治してもらったことよりも、それから間もなく彼が話してくれたことによって、『いるまんドミンゴ』は監物にとって特別な人となった。鹿子百合が薄紅の色をさして咲いている初夏の夕暮れだった。幼かった頃から監物は大病を繰り返し、ひどく感じやすい子どもだった。常に死の影におびえていた。人の死はもちろん動物や小鳥の死骸さえも怖かった。他の童たちと遊ぶことを避け、いつも一人でいることが多かった。しかも手の怪我の後で戸外に出ることすら恐れるようになっていた。そんな監物に、『いるまんドミンゴ』は、「ルイスどの」とキリシタン名で呼びかけ話してくれた。

 「自分を特別な人だと考えてはならない。それが、ルイスどのの弱さのすべてです。確かに、病になれば皆が親切にしてくれ、注目してくれる。何かつらいことが起こるたびに自分は病弱だからとの言い訳を作り、自分を慰める習慣が身について、ついには弱い自分を手放せなくなってしまった。それを繰り返してきたために、心が弱くなってしまっただけのことです。痛みに怯え、熱に怯え、怪我をすることや病に罹ることを恐れるあまり、皆とあそぶことや泳ぐことをひかえる。ルイスどのは常にしくじることばかりを恐れ、自分のなかに力を閉じ込めてしまう。だが、ルイスどの、この世に弱い人などいない。人はすべて、主によって何かをなしとげる目的を与えられ生まれてきた、強い存在です。あなたに与えられた使命を果たすために全力をつくしなさい。主は常に見ておられる」

 自分の内に潜む得体の知れない恐怖心を、『いるまんドミンゴ』は言葉にして説き明かしてくれた。その日から監物は、心の中に住む「臆病者のルイス」を追い払うべきものとして対処できるようになった。翌日からあれほど怖かった海に自分から入り泳ぐことを始めた。恐怖心を捨てた時に、頭上に降りかかる波の泡立つ輝きが、生きていることを至福の瞬間として感じさせた。空も海も、見慣れた葉山松林でさえ初めて美しいと思った。南目の強い陽光と明るい翡翠の海が、日を追うごとに病弱だった監物を変えていった。

 (『出星前夜』 飯嶋和一   p。97〜99  2008 小学館)



この連休で
 飯嶋和一著『出星前夜』を読了した
全体の六分の一にあたるところで
上記の挿話に出会った 
没我に拍車が掛かった


人と会うため3㎝もあるこの本を鞄に入れ
電車の中で残り数十頁を読み継いだ
あと少しの所で帰りの電車を降りたが
そのまま帰宅するにしのびなく「珈琲工房」へ入った


最後の数頁で
テーブルに置いた右手の握り拳はどんどん硬くなり
胸は締め付けられた
最後の数行で安堵し ゆっくり拳を開いた
著者と 著者の作品を薦めてくれた長女にあらためて感謝したい




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by skyalley | 2009-09-24 06:48 | こころへ教室日記
こころが着地する

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半月のスペイン旅行から帰国した友 さこさんが
久しぶりにメールをくださった

件名に一言カタカナで 「ホトトギス」と
その文字を見たとき じわぁっときました

帰国してすでに5日は経っているのに
時差ボケのせいか 朝4時に目が覚めたこと

留守の間の用事はたくさんあるのに
さっぱり片付かないこと

秋風に吹かれてぼうっとしながら
庭に咲いた10センチ足らずのホトトギスの花を見つけたこと

6月にいっしょに那須の妹を訪ねたときに
採ってきた草であること

そんなことがぼそぼそっと書かれてありました

私はもう何年も海外へは行っていませんが
体は確かに帰ってきているのに
何だかふわふわして着地していない
と帰国後数日の間 いつも感じたものです
そんなとき 心が確かに帰ってきた と言えるのは
庭に咲くその季節の草木や花を見たときです

さこさんのメールの件名を目にしたとき
その草の名 一語で
体は時差ボケを抱えていても
  あぁ 自分の国に帰ってきたんだな
心はしっかり目覚めたのだな と
そんなふうに 勝手に思いました

静かな秋の昼下がり
我が家では
紫式部の紫の実と
萩の白い花房が並んで見頃となりました
2週間ものスペインの旅の話
さこさんに会えるのが楽しみです


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by skyalley | 2009-09-19 15:30 | ひと
「するか しないか ではなく」 胡 暁子
  
  今年82歳の胡 暁子さん
  公私に亘る多くの政財界の方達との出会いや
  東南アジアでの永年の暮らしの中で培われた視点を通し
  折にふれ 私の元に書き送って下さるご意見をご紹介します
  

本年中に腹をくくる問題
たとえばインド洋における給油
自衛隊の海外派遣
これらの問題は
給油をするかしないか
派遣をするかしないか
また アメリカに協力するかしないかではなく
そもそも何を目的とした活動なのか
何が問題になっているのか を
日本は独立国として 
また国際協力の一環として
そうした事態に協力するのが確かに必要であるかどうか
如何に独自に思考し解決することが出来るのか
そのことが大切と考えます


以前シンガポールにおりましたとき
日本の商社にシンガポール赤十字への寄附をお願いにあがると
代表の方が
 「三菱さんは寄附をなさいましたか
  いくら御出しになったでせうか」とのご質問
「十万円ですか
 私共は三菱さんよりランクが下ですから
 五万円くらいで如何でせう」というご返答でした


この思考は絶対に改革して頂きたい
他がどうであろうとも自身の考えで判断して頂きたい
国際貢献の在り方は
自国の現在置かれている状況を的確に把握し
隣人を助ける理性を持って実行するように
そのことが肝要です


ヨーロッパはEUとしてのまとまりを堅固にしつつあります
「アメリカは世界的に失墜した姿を立て直してください
 アジアのことはアジアにお任せ下さい」とアメリカに言えるような
日本になって欲しい
オバマ政権の良きパートナー 友人として
日本の将来を見据えて進路を取ってもらいたい
そう望んでいます

 
by skyalley | 2009-09-19 14:55 | 徳談会日記