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by skyalley
| 2011-10-20 23:58
| 那須のパン屋A TABLE!
いつだったか 那須でパン屋を営む妹が 「TWINという地元情報紙の取材を受けることになった」 と知らせてきた 「よかったね!」 と喜んだことは憶えているけれど そのまま そのことは心のどこかに置き忘れてしまっていた 今週も教室で販売するためのパンが妹から届けられた パンの脇に一冊の雑誌があった 取り出してみて驚いた 妹のパンが一面表紙になっている 那須にはとにかくパン屋さんが多い TWIN10月号の特集「那須のおいしいパン屋さん。」には そのうちの12軒の店が紹介されていた その表紙になったのだ http://twin-net.com/top.html 先月墓参りのため上京した妹と 堀口さんの珈琲工房でゆっくり話をする時間があった 「このごろますます思うんだけど・・・」と妹 「やっぱり人生はシンプルなことなんだなって こんなに生きにくい時代なのに 好きなことで何とか暮らしていけている そりゃ 人が少ないところに住んでいるわけだから 売上げがぐんぐん伸びているというわけではないし 月末に だいじょうぶかな やっていけるかなと思わないときはないよ でも 今こうして好きなパン屋をやらせてもらっている ありがたい それも那須という自分で選んだ土地でできているのは まずはお父さんのおかげ それを思ったら 前は掃除機を使ってたけど このごろは床の隅々まで雑巾掛けするようになった パン焼いて 並べてお客様を待っている間 雑巾掛けを始めると 気が付くと 雨の日なんかお客様はまったく来ないで 雑巾掛けだけで一日終わっちゃったりする それだけの生活 でも そのことを精一杯やったあとの清々しさってない それでいいんだ って思う」 仕込みから30時間も掛けて焼くパン作りのために 妹の手は節くれ立って 私の手とはすっかり違ってしまった 独学で身に付けたパン焼きの技術を持って 8年前 透析の必要な父を伴って那須に引っ越してから 都会暮らしの父と妹は 開拓民のように手を取り合い身を寄せ合いして暮らしてきた 引っ越した当初 別荘地の中にある妹のパン屋は 街道沿いにある店ではないので 通りがかりの方が寄ることなどあるわけもなく そしてわずかな友人以外に知る人もなかった 一日の終わりに 「お父さん 今日も(パン)たくさん残っちゃったよ」とこぼすと 「今に見ていろ 買いたくても買えないようなパン屋になるぞ!」 と しょげている妹を父は笑顔で幾度も励ましてくれたそうだ 3年前に80歳で旅立った父を一人で看取ってくれた妹 父もこの雑誌のことを知って 喜んでいてくれることだろう A TABLE! のことを雑誌を通じて 多くの方に知って頂くようになったこと そのこともさることながら 妹が パン屋という自分で選んだ仕事を通して 自分で選んだ那須の地に心身しっかりと根付きつつあることを 他のパン屋さんももちろんそれぞれに 試行錯誤し 努めてこられたことと思う だが妹が分の中で 慎ましく 誠実に暮らしてきたことは確かだ 数あるパン屋さんの中で 表紙に選んで頂けたことは 何より妹にとってのご褒美となった 今まで力になって下さった有形無形のひと・こと・ものに あらためて感謝したい そしてこれからも A TABLE! をどうぞよろしくお願いいたします http://a-table.sakura.ne.jp/index.html 世田谷・千歳船橋の私の家にお近い方は 毎週木曜日にA TABLE! のパンが届きますので どうぞお味見下さい ![]() ▲
by skyalley
| 2009-10-03 06:06
| 那須のパン屋A TABLE!
那須に暮らす妹から
短い夏を愉しむ避暑客の様子 風交を綴るメールが届いた お早うございます。 夏の日差しに秋の風 庭には吾亦紅、女郎花、桔梗、萩 夏と秋が混然としています。 九十歳の白石先生に、この夏もお目にかかることができました。 真っ白な髪をきれいに整えられ、白粉、紅も差され・・・ 「生きている限りはねえ」と。 こちらが恥ずかしくなるほど身なりを整えられています。 那須に来るときに、いつもご自分で用意されていたスーツケースに 今年は、何を詰めていいのか分からなくなってしまった、と。 [人間てそんな風になってしまうのよ。今回初めて経験したことです。] そういうことを客観的にとらえ、 人に話すことができるのもすごいことです。 隣家の奥さんと三人、デッキでの歓談の後、 「悲しいこと、苦しいことがあっても、 これが人間の悲しみというものなのだと、味わえばいいのよ。 毎日を楽しく生きるって約束しましょ!!」 三人六本の手が重なり合いました。 また、次に・・・は無いかも知れないという 先生のお気持ちが伝わってきました。 先生のお隣の柴田さんは八十四歳 四十年来のお付き合いとのこと。 二人手をつないで散歩する姿は、本当にほほえましいものでした。 白石先生は、柴田さんの手を取り、ご自分の脇にしっかりと挟んで 歩かれていきます。離すまい、というように・・・ 会う人ごとに、これが一期一会 と心に刻んでおられるようにお見受けしました。 ニンジンとトマトのスープ、ミルクパンをお届けしたけれど、わたしは、 これが最後かもしれないと、心込め、真剣に作れたでしょうか。 人はよく、一期一会と口にするけれど・・・ それは本当の本当だけれど・・・ 昨日帰られた先生の、 今年の笑顔、ほっそりとした手のひんやりとした感触を 今日は何度も思い出すのでした。 合わせて、戦争の時代を生きた人の日常に、思いが馳せられました。 (姪孫の)颯太から電話があって、 受け答えのしっかりしていること! 来訪、たのしみです。 こちらは、朝夕涼しくなり、今朝は十七度でした。 東京はまだ暑そう、ご自愛ください。 ▲
by skyalley
| 2009-08-16 16:36
| 那須のパン屋A TABLE!
![]() 那須で暮らしている妹のパン屋 A TABLE! (ア ターブル : フランス語で「ごはんだよ!」 ) 焼きたてのパン香るホームページをご紹介します ![]() 地方発送もいたします ぜひお味見下さい http://a-table.sakura.ne.jp/index.html ![]() また那須の自然も 折々ご紹介します どうぞお訪ね下さい ![]() ▲
by skyalley
| 2009-08-03 05:17
| 那須のパン屋A TABLE!
![]() 那須で暮らしている妹のパン屋 A TABLE! (ごはんだよ! )のホームページが出来ました 5月の誕生日に結婚した長女に手伝ってもらって作った 焼きたてのパン香るページです ![]() 地方発送もいたします ぜひお味見下さい http://a-table.sakura.ne.jp/index.html ![]() 那須の自然も 折々ご紹介します どうぞお訪ね下さい ![]() ▲
by skyalley
| 2009-08-02 12:35
| 那須のパン屋A TABLE!
黒磯の友人を訪ねた折
突然の引越を即決した妹 彼女を魅了したのは 偶然に出会った木の家 ![]() その後 父と話し合い 少しずつ建て増しをした 短い夏を堪能できるように 家の二方に縁側も足した ![]() 孫息子はこの家に居る限り アルミサッシュや合板に触れることがない ある日 立ち上がって 何か熱心に体を動かしている背中があった 近づいてみるとベッドの ヘッドボードに施されている曲線に沿って 掌を何度も滑らせて その感触を愉しんでいるのだった ![]() 「きもちがいいんだね」と話しかけると 無心の世界から急に戻されたことに驚いて 声を立てて笑い また 木の肌触りに戻っていった ![]() 木造の家に生まれ さまざまな木の味わいに触れて育った私には 彼の快感はとてもよくわかる 私も彼といっしょに曲線遊びに耽った ▲
by skyalley
| 2007-05-25 08:44
| 那須のパン屋A TABLE!
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