触ることからはじめよう
by skyalley
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散歩に行こう おかあさん
先日 朝の快晴からは想像が及ばなかったが
突然あたりが薄暗くなったかと思ったら
すぐ近くで雷鳴が轟き
暗雲が棒のような雨を落としていった
そして にわかに日が射してきた

わたしは自転車で区役所へ向かった
あちこちの町角で
「凄かったわね さっきの雨」と
おくさんたちが立ち話
道中の緑がますます深く茂りだしているのがわかる

区役所の戸籍課で
父の遺産分与に関するあれやこれやの書類を
こどものおつかいのような気分で
揃えてもらうように頼む
担当者に何かを問われても その言葉の漢字が想像できない

ようやく書類が整い
堅苦しい雰囲気から解放され
外に出てみると澄んだ青空が広がっていた
急に「おかあさん 晴れたから 散歩に行こう」と
心の中で誘いの声が上がった

母が亡くなって25年
生前いっしょに散歩をした記憶はない
京の親友 上田万里さんが
母の日に撮ったとてもよい御尊母の写真を
出がけに見せて頂いたせいかもしれない

わたしはあんパンを一つ買って
近くの公園に行って
ベンチに座り
鞄からお茶を出した
あんパンは一人で全部食べた

好きなことを母に話したこともないし
好きなことを母と共有したこともない
そしてそのまま別れてしまったけれど
「散歩に行こう」という言葉が
ふいと胸をついて出た


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by skyalley | 2007-05-17 01:52 | 父・母
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