触ることからはじめよう
by skyalley
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 田坂広志氏 「問いそのものが旧い」

先日NHKの番組「MISSION」を観た


《 貧困や格差、人権の抑圧、環境、エネルギー、食糧・・・
世界には、解決困難と信じられてきたたくさんの課題があります。

「地球ドキュメント ミッション」は、
こうした課題を解決しようと「ミッション」達成に挑む人々が
立ちはだかる「壁」を突破する試みを、
密着ドキュメントで追います。
そして、「突破口」となる経験やアイデアを幅広く募り、
スタジオで当事者にぶつけてゆきます。

ひとりひとりの力が集まれば、「世界は変わる」―。
多くの人々の力を結集し、ミッション達成を後押ししていきたい。
番組に込めた、願いです。》
MISSIONの番組紹介にはこのように記されている

司会者は
「NHKニュース10」「サンデースポーツ」などの司会を務め
2008年3月NHKを退職されたアナウンサーの堀尾正明氏
その日 ミッション・マスターとして登場している田坂広志氏は
多摩大学大学院 教授
「社会起業家」を支援するフォーラムを主催
8000人の社会起業家を束ね、社会変革に取り組んでいる
経済一辺倒の考え方に代わる
新しい時代の生き方働き方を提唱する思想家


私が観たのは 
「イギリス 移民女性を貧困から救う」であった

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《イギリス有数の貧困地区、ロンドン東部のタワー・ハムレッツ。
バングラデシュなどのアジア諸国や、
ソマリア、ケニアなどのアフリカ諸国からやってきた移民たちが多く暮らす。
言葉や文化の違いから仕事につけず、失業率も高い。
中でも女性は、経済活動にかかわることがなかなかできなかった。
そんな女性たちの自立の道を探り、支援していくのが今回のミッション。

このミッションに挑むのは、
協同組合アカウント3の創設メンバー、トニー・メレデューさん。
活動開始から、およそ20年。
英語教室に始まり、
保育士などを養成する職業訓練、雇用創出など、
2万人の移民女性など、
助けを必要としている人たちにサービスを提供してきた。
中でも力を入れてきたのが、
これまで家庭に押し込められてきた女性たちの
無担保小額融資・マイクロクレジットによる起業。
これまで数百人もの女性の起業を助けてきた。》
(番組紹介サイトより)



そんな様子が映像を通して伝えられた後
司会者が質問を発した
「田坂さん こういった活動の経済的効果は どうでしょうね」
それに対しての田坂氏の応えのあらまし


そのような問いそのものが旧いのではないか
雇用が GDPがというパラダイムそのものが旧いと思う
アカウント3の創設メンバーたちは
政治家のように社会を 世界を変えようということを目論んで
活動を開始したのではない
目の前にいる苦しんでいる人をどう助けるか
一人でも多くの女性が希望の職につけるようとする努力
自分は何が出来るだろうという工夫
移民一人一人に対するきめ細やかな創意工夫
それはある意味のアートです
そしてそれに対する COMPASSION(共感)や
ENCOURAGING(励まし)が
結果的にはうねりとなって国を 世界を動かす





「パラダイムそのものが旧い」と田坂氏が発言された時の
司会者の顔には複雑な色があった
番組紹介にもあったように
このMISSIONは《ひとりひとりの力が集まれば、「世界は変わる」》と掲げている
「世界を変える」という大上段に構える視点からではなく
その「ひとりひとり」の活動に焦点を当てる番組である


パラダイムとは
「その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想」から
「旧態然とした考え方」という意味まで
含みが多い言葉ではあるが
あの番組司会者として適切な問いであったとは思えない
田坂氏の指摘には説得力があった


司会者は最後に田坂氏に
アカウント3の代表者に贈る言葉を と投げかけた


「If you light up a small corner of a society,
  you are the treasure of the society.」
一隅を照らす これ国の宝なり」(最澄のことば)

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by skyalley | 2010-08-20 15:37 | ひと
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