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葉乃ちゃんと 孫息子颯太の初めての手習いを始めました 葉乃ちゃんはお母さんのおとなりにチョコナンとお座り 颯太にも お母さんのももといっしょに座るように勧めましたが 「ぃや!」 少し離れたところに 座って 私が取りそろえた雨にまつわる絵本を見やりました 「どのご本を読もうかな 葉乃ちゃんは 今日初めて颯太のうちに来てくれたから 颯ちゃん 葉乃ちゃんが好きなご本を選んでもいい?」 颯太は少し投げやりに 「いいよ」 みんなに やさしいねぇ と褒められますが 颯太は全然嬉しそうではありません 読み始めると 颯太はグレ出しました 颯太と葉乃ちゃんと 両方に同じくらい 質問を投げかけたのですが 颯太にとっては 私が葉乃ちゃんに話しかけるのが不満 とうとう大泣きして お母さんと自室に引き下がっていきました 葉乃ちゃんに いろいろな象形文字の「雨」を見てもらって 脇に用意しておいた大きなホワイトボードに 葉乃ちゃんの思い描く雨の絵を描いてもらうことにしました ところが 葉乃ちゃんの興味は やっぱり自分の名前 「は」と「の」 「じゃ は の字を書こうか 葉乃ちゃん」 と促すと 小さいけれど はっきりこっくり 象形文字を入り口に進めていこうという私の魂胆はあっさり却下され 葉乃ちゃんは ひたすら 「は」の字に専念 颯太に 「葉乃ちゃんと お絵かきしよう」と部屋に誘いに行くと 涙を拭き拭き やってきました 「は」の一画目が右側に来るのや 三画目の結びが 反対回りになってしまうのや いろいろの「は」があることがわかったので 葉乃ちゃんに 「最初の棒は 葉乃ちゃんの左の手のほうに書こうね ぐるっとお丸を書くときも 葉乃ちゃんの左手に触るように そっちのほうにいつも書けるといいね」 そう説明すると 納得した葉乃ちゃん それから書くわ 書くわ ひたすら「は」「は」「は」 「のの字を書いてみる?」と誘っても 小さくはっきりイヤイヤ とうとう自分の前のボードに空き地がなくなり お母さんと席を替わって そこにも「は」「は」「は」 とうとうすすすすっと 書けるようになりました そんな葉乃ちゃんにお構いなしの颯太 「そ」の字を書いてみせると ジグザグに折りながら書いていた という特徴だけをつかんで ジグザグジグザグ もうすぐ4歳の葉乃姉さんは 少しあきれて颯太の手元を見ていました ンモォッ おとこのこったら・・・ そんなふうにして 第一回目の手習いは終わりました 帰ってしまう葉乃ちゃんともっと遊びたくて 颯太はまた大泣きをしました 二人で手を合わせて 「さよなら またね!」 彼らの好奇心に添って 季節にまつわる絵本を読んだり 象形文字に少しずつ親しんでいってくれたらな と思っています
by skyalley
| 2009-07-02 20:17
| こども・ことば・ひろば
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