触ることからはじめよう
by skyalley
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カテゴリ:一枚の葉を森へ(no nukes)( 52 )
「手書きによる」原子力発電所全廃への署名
先週youtubeで
数年前のNHKの番組「その時歴史は動いた」
「3000万の署名、大国を揺るがす ~第五福竜丸が伝えた核の恐怖~」
http://www.youtube.com/watch?v=rdtAG64FbYI&feature=youtu.be
を観ました


世田谷区・船橋の自宅で
読む・書く・話す・聴くことを学ぶ日本語教室を営む私に
仕事を通してできることは何か
3月11日の東日本大震災以来 ずっとそれを模索してきました


震災直後 幼い娘や息子を教室に通わせている母親の中には
春休み中であったことも活用して
関西方面の実家に帰られた方も多くありました
次々に放たれる不確かな情報に
食料や家庭用品を買い込んでしまう方もありました


一時の感情的な行動に走るのではなく
起きている事態に関し 
できるだけ正確な情報を得る努力
事態の「意味」を考える努力
思いや考えを書き留める努力
日々の行動に繋げる努力など
読む・書く・話す・聴く言葉の力を借りることによって
まずは冷静さを取り戻し 保つように 
お弟子さん各自が被災者と何かで繋がる道を模索するように
教室において互いに話して来ました


しかし
悪化の一途を辿っている原子力発電所事故の経過を追ううちに
それだけでは足りない
それだけではだめだという思いが募りました
そんな時に ある思いが急に胸をよぎりました


子どもの頃 
学校で初めて第二次世界大戦を知った時
「どうしてお母さん達は自分の子どもを
 戦場へ笑顔で送ることができたのだろう
 どうしてみんなで嫌だと反対しなかったのだろう」
という疑問を抱きました


翻って
今年5歳になる孫息子が入学し やがて
2011年3月11日以来の原子力発電所事故を知り
その時にまだ原子力発電所が稼働しているとしたら
彼ならきっと訊いてくるだろう
「どうしてあんなこわいモノをいやだって反対しなかったの?」
その真っ当な問いに対して
手をこまねいているだけの今のままの私はどう応えられるのか
彼に対して以前に 自問自答を繰り返してきただけの
自分に対して納得がいっていない


私は原子力発電所全廃へ向けての署名活動を決心しました


もちろんそれまでにインターネット上で署名のサイトを探し
記名はしてきました
しかし 署名した後 その活動がどうなったか 
果たして関心を持ち続けられるのか
いつも首を傾げながらボタンを押していました
既存のものに納得しないなら 自分で作るしかない
そんな思いもありました


すぐに署名用紙の下書きを始めました

多くの人々が感じているはずの
原子力発電所事故への大きな不安に
自然と繋がっていくような言葉は何なのか
すぐには思いつけませんでした


ちょうどその日に教室で書いた『論語』の言葉は
憲問の4

子曰、邦有道危言危行、邦無道危行言孫

子曰く、邦(くに)道あるときは
言(げん)を危しく(はげしく)し 行いを危しくす
邦道無きときは
行いを危しくし 言は孫う(したがう)

国家に道徳に従った政治が行われている時は
正直に発言して正直に行動する
しかし国家に道徳が実践されていない時は
正直に行動すべきだが、発言は控え目にすべきである


いくら「その通り」と同意することであっても
余りに赤裸々な言葉に対しては 私自身引いてしまうことがあります
原子力発電所の全廃 という強い主旨だからこそ
発言は控えめにという孔子の言葉に従い

先に観た番組「その時歴史は動いた」から
当時の成人人口の約半数である3000万人の署名を集めた署名運動中
署名の有効性を怪しむ人に問われた時
一人の主婦が応えた言葉
「黙っているよりは はるかに効果があります
 沈黙は賛成を意味するからです」を引用させて頂くことにしました
沈黙していることで賛成を意味していた私自身の
情けない思いを言い得ていたからでもあります


初めての署名活動の準備を教室でしていたら
近所に住んでいる千秋さんが来られました
家の前のテーブルに座って 私は署名運動のことを話しました
その場で主意に賛同して下さった千秋さんと教室に戻ると
二人で文面や体裁を練りました
千秋さんは 先日このブログで紹介した冊子
『いくいりぶりあむ』をいっしょに創ってくれたひとです
グラフィック・デザイナーの彼女に
署名用紙をレイアウトして欲しいとお願いしました


ちょっと立ち寄って 
一言二言言葉を交わして帰るつもりだったはずの千秋さん
苦笑してはいましたが 覚悟と共に原稿を持って帰って下さいました
それが夜の11時過ぎ 私はそれからすぐに寝てしまいましたが
翌朝 メールには彼女から
「こんなふうでいいでしょうか」との件名で
すでに署名用紙が添付されてきていました
時刻は午前2時台


そもそも仕事に対する姿勢として
不特定多数のひとに働きかけることが苦手な私
普段から私生活に於いては控えめ控えめな千秋さん
共に署名活動をするなど思いも寄らぬことでしたが
共有している情報源 たとえば
京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏
http://hiroakikoide.wordpress.com/about/
またノンフィクション作家の広瀬隆氏の情報などから
原発全廃への突き動かされる気持ちも共有してきました


千秋さんに早速に作ってもらった原稿を受け取った朝
私は「黙っているよりは はるかに効果があります
 沈黙は賛成を意味するからです」の部分は
手書きにしよう と思いながら床を離れ
すぐにその旨を彼女に伝えると 
彼女もそう思っていた とのこと
早速 その言葉を練習し清書しました

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一人が自分の名だけを記し用紙を返すのではなく
各自が公私に亘る人間関係を活かして
まずは25名の署名をもらうという責任を担って頂けたら
そう願っています


一応の体裁は出来ましたが  
「安全に暮らしたい」という悲願を
最大限表すような署名用紙にしたい
もちろん署名された名前がずらりと並べば
それなりの力を発揮するであろうが 
私としてはもう一工夫が必要でした


今更ではありますが
今日にもどこかで震災が起こり
それによって原子力発電所事故が新たに引き起こされる可能性がある
そういう日本という国に暮らしていて
現実にその危機に直面している私達の真の言葉を
記名とは別に 印象的に表せないものか思案し
結局 裏面を寄せ書きに活用することにしました

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あなたがたった一枚の葉っぱであっても
あなたの意志で木になり 森になることができる
そんな主旨を込めた葉拓も添えました
被爆においては家族同様の飼い犬や猫
草木や花 鳥や虫
本当はみんなに署名してもらいたい
彼らの声も代わって表せるように とも思っています



経堂で悠愉学舎という私塾を営んでいる海沼栄造先生が
その数日後に「ゆっくり子育て講演会」を開くことになっていたので
先生に署名活動のことを話してみました
先生は 「学生運動をしていた頃から
数え切れないほどの署名をしてきて
その限界を憶えながらも 求められれば賛同することには署名はしてきた
が 自分が署名運動の発起人になることを考えたことは一度もなかった」
そう話してから すぐに署名用紙の原稿を持って帰り
講演会に集まる予定の約100名分のコピーを引き受けて下さったのです


We cannot do great things on this Earth.
Only small things with great love.

 私達はこの地球において偉大なことはできない
 大きな愛を抱いて小さな事を為すこと以外は

マザー・テレザの言葉だといいます


私の初めての署名活動は 
孫息子と
そのまた孫の孫の孫の孫・・・
未来のひとびとに対し
すでに放射能による心身への被爆を最小限に留め
負を残してはならないという思いから発しました


横浜市で行われた催事に出かけていった千秋さん
彼女としてはかなり思い切って主旨を話し 
状況に応じて署名用紙を差し出したそうです
様々な反応に対し 
さらなる正確な情報収集と勉強の必要性を感じた様子でした



私も千秋さんに作ってもらった署名用紙を鞄に入れて
歯医者さんで
酒屋さんで やはり思い切って主旨を話したら
快く引き受けて頂き 励まされました


この先
署名活動はどう展開していくかは全くわかりませんが
日々の生業である読み・書き・話し・聴くこと
また幼い頃から親しんできた葉っぱの力も借りて
原子力発電所全廃へ向って行動できるのは
ありがたいことだと思っています


ご賛同頂ける方は
メールに署名用紙を添付して送付しますので
コピーして使い お手数ですが8月8日までに
メールに添付でも 
156−0055 世田谷区船橋1−54−10−101
「一枚の葉を森に」宛にご送付頂きたいと思います
お力添え頂きますよう お願い致します
by skyalley | 2011-06-13 07:09 | 一枚の葉を森へ(no nukes)
「オンカロ」(フィンランド語で「隠し場所」)
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先日テレビで
「地下深く 永遠(とわ)に 
~核廃棄物 10万年の危険~」の再放送を観た 

以下NHK BSのサイトより抜粋



各国が頭を痛める原子力発電所の廃棄物問題
北欧のフィンランドが世界に先駆け
核のゴミの最終処分場の建設に乗り出している。
「オンカロ」(フィンランド語で「隠し場所」)と呼ばれる処分場は
太古の岩盤層を深さ500mまで掘り下げた先に作られ
施設が国内で排出される核廃棄物で満パンになる約100年後に
入口を完全封鎖されるという。

核廃棄物の最終処分が難しい理由は 実はその先である
廃棄物が出す放射線が
生物にとって安全なレベルに下がるまで
欧州の基準では少なくとも10万年かかるとしている
つまりオンカロは
人類の歴史にも匹敵する膨大な歳月の間
安全性の確保が求められるのだ
革命や戦争が起きたり
気候や地殻の大変動に見舞われたりしたとしても・・・

最も危惧されているのは
今の人類が姿を消したあとの未来の知的生物が処分場に侵入し
放射線が漏れ出してしまうシナリオだという
そうならないよう
近づくと危険だという警告を伝えた方がいいのか?
しかし、どうやって?
あるいは何もせず
記憶から消し去ってしまう方がいいのか?




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「オンカロ」に直接間接に関わる人々へのインタビューが
監督からたびたびなされる
10万年後に
「ここは危険だ」と警告するにはどうしたらいいのか


たとえばこんなサインは?

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こんな絵を描いておいたら?

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こんな案も出たという

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質問を受けた側は 事が重大なだけに
だれもが真摯に応えようとはしているが
それにしても10万年後を確かに想定することが出来ない

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内心の不安や懐疑を抱えての応答が続く
どうしても途中でため息が洩れる
お手上げだというような仕草も出る
黙考の末 沈黙に託す
「good luck!」で話を締めくくる女性もあった

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地下500メートルで着々と進められている工事
地表の動物たちは
目に見えぬ動きに敏感だ

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最後に使われていたアリアの一部は印象的だった

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原子力というパンドラの箱を開けた人類が直面する難問を描く
2010年 国際環境映画祭(パリ)グランプリ受賞作品だという


私には
触れられ
数字や線が書かれ
削られ 
爆破され 
地下から地上に放り出されていく岩を見ているだけで
胸がいっぱいになる作品だった


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by skyalley | 2011-02-26 12:57 | 一枚の葉を森へ(no nukes)