触ることからはじめよう
by skyalley
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カテゴリ:こども・ことば・ひろば( 18 )
「すみれば」の庭

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近所にちいさくてすてきな庭がある
地域住民と「せたがやトラストまちづくり」が協働で育てている
”世田谷の人と生きもののオアシス”
「桜丘すみれば自然庭園」http://sumireba.exblog.jp/


先日 砧公園に行こう と5歳の孫息子の颯太を誘ったら
彼は保育園でたびたびでかけている「すみれば」を勧めてくれた
11月にしては暖かすぎるほどの昼過ぎ
園内を観たり 嗅いだり 聞いたり 触ったり 拾ったりしながら散歩


一周し終わる頃 弱々しげに舞う蝶を見つけた颯太
羽を休めたところに近づいて そっとしゃがんだ
「ね ね はねがきれてるよ いろもうすいね
 だいじょうぶかなぁ」じっと様子を窺っている


園の中央にある集会所に入ると女性職員が声を掛けてくれた
颯太はまっすぐに彼女のところへ行き
「ね ね はねがきれちゃってるちょうちょがいた!」
「へぇ よく観てきたね」


この月によくみられる動植物の写真が掲示板に貼られている
そこへ職員を誘い「ほら これとおんなじちょうちょだよ
ずかん あるの ここ?」颯太が職員に尋ねる
職員は絵を描くかと誘って下さった


図鑑を見ると 備えてある色鉛筆の色数が少ないことを嘆きつつも
すでに蝶の輪郭だけ描いてある紙片に
颯太は黙って色を塗り 斑点を描き続けた
事務所に行き職員に声を掛ける「できましたぁ!」


「わぁ 羽が切れているところ よく描けたね
 あそこのボードに貼ってもいいかな?」
自分が描いたからこそ 他の子どもたちの絵が気になる
職員と話しながら それぞれの絵を間近で見入っていた

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案内をしてくれたつもりの颯太
「ね よかったでしょ すみればきて」
子どもが口に乗せるにふさわしいような愛らしい名「すみれば」
目をかけ 手をかけしておられるたくさんの方々に感謝


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by skyalley | 2011-11-07 08:42 | こども・ことば・ひろば
どう数える?


午前中 留学生会館で
オーストラリア人のエマニュエルさんと日本語の勉強をしていたとき
数え方の話になった

 1 pon
2 hon
3 bon
4 hon
5 hon
6 pon
7 hon
8 pon
9 hon
10 pon

「本」を付けて数えると
1から3の間ですでに
ぽん・ほん・ぼん の3種類の違いが現れる
エマニュエルさん 苦笑していた


午後3歳の美音ちゃん・兜君と勉強をしていたとき
「紙のようにぺらぺらしているものを数えるには
 何て数えたらいいかな」と訊いたら
兜君 「いっぺらぁ〜」と言った
かわいかったので 四人の母子と一緒に大きな声で
いっぺら〜 にぺら〜 さんぺら〜 と10まで数えてから
「大きくなるまでに 枚をつけて数えられるといいね」と言った


夏のある日 一つだけあったカップのアイスクリームを
オットと孫息子の颯太で分けて食べるように と出したら
颯太は先に一口食べた爺さん(こっくん)に
「こっくぅん イッパクチたべたら
 そうちゃんにかわってね
 そうちゃんがニパクチたべたら
 こっくんたべていいよ」と言った


みんなちがって みんないい

数詞は幼児にも外国の人にも
むずかしいものには違いない
特に習って憶えようとした記憶はないので
習うより慣れろ ということか
by skyalley | 2011-10-11 22:21 | こども・ことば・ひろば
主義・主張のある子どもに
オットと久しぶりに昼食を食べに出た帰り
古着屋さんの外でジーンズ地のジャケットを見つけた
「颯太(孫息子)にちょうどよくない?」
「あ 110cm うん いいかも!」
何と¥105という値で手に入れ
保育園から帰る颯太を楽しみに待った


暗くなってようやく母親と帰宅した颯太
オット
「ね ね 着せてみて あれ!」
「あ そうだった 颯太 ちょっと来て!
 これ着てみて ほら!」
オットも私も彼が袖を通してくれるのが待ちきれない
颯太を立たせて ジャケットを着せてみる
「ん〜 ちょっと大きいか でも袖口を一つ折れば
 ほら 大丈夫だね いいじゃん 颯太!」


すると
黙ってされるままになっていた颯太
「こんなの きない!」と言い放った
剥ぐようにジャケットを脱いだかと思ったら
大泣きしながら 母親のいる方へ走っていった
オットは余りの展開に残念がり
「じゃあ いいよ」と自分をなだめるように言った
その語気の冷静さに 颯太は益々声を荒げて泣いた


部屋で着替えをしていた娘は
帰宅してから数分の間に
息子が大泣きをしている事の成り行きが判らず
呼んで訳を聴き出そうとしている
しかし颯太は泣きじゃくっていて言葉にならない
しばらくして ようやく彼が母親に話したことは
こうだった


 祖父と祖母が
 自分に似合うかなぁ と思って
 ジャケットを買ってきてくれた ということを
 「事前に」自分に知らせてくれなかった
 帰ってきたら 突然にジャケットを着せられ
 祖父母同士の話の流れに入れられたことが
 自分には唐突だった
 事情をよくわからないその上に
 祖父に「もういい!」と語気を強められたのが
 悔しかった
 

母親に助けられて 祖父にこう話す孫息子の声を
すでに受業を始めていた私は隣の教室で聴いていた
みなが寝静まった後 一人湯船で自問した


考えてもみるがいい
外から帰って 家の者といえども
いきなり見知らぬ服を着させられ
似合うの似合わないの と騒がれては
何の事やら 蚊帳の外
服そのものにではなく
その状況を「いやだ」と言ったにもかかわらず
「じゃ いい」と突き放されては
たまったものではない


孫息子が 自分の内から出てきた気持
「納得しないで 何かをされたりしたりするのは嫌だ」
という彼なりの「主義」を
おろそかにせず 自分ですくい取り
そして「主張」しようとしたことを
頼もしく思うと同時に
済まぬ事をしたと やっと気づいたバァサンであった


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by skyalley | 2011-10-07 14:51 | こども・ことば・ひろば
「雨」の漢字を学ぶ


今日は
宗祐君5歳と仁奈ちゃん新米5歳のお稽古
台風の雨がはだらに降っている日だったので
「雨」という漢字を学ぶことにしました

雨は「窓から降ってくる雨」を見ている象形文字だそうです
4500年もの昔からひとびとが書いてきた文字です
最初に窓から見える雨の絵を二人に描いてもらい
だんだんに今使われている漢字にまで発展するように習いました


仁奈ちゃんは書き順に気をつけ ていねいに書いて
花丸にご満足

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宗祐君は雨粒4こでは物足りず たくさん降っている様子を字にしました

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写真を撮っている私に
「これもとって!」とねだったのに
いざ撮ろうとしたらお母さんに甘え
あげくに机の下に隠れてしまいました

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仁奈ちゃんの妹・仁乃ちゃんがその様子を冷静に観ています

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みんなが自転車で教室に来るまで
雨の日には合羽や傘や長靴や色々準備をしなくてはならないから
とても面倒だけれど
雨のおかげで水が飲めること お米が育つこと
反対に大きな災害も引き起こすことなどを子供たちと話し合い
また その様子をテレビのニュースなどで見かけたら
子供たちに観せてほしいとお母さんたちにお願いし
お稽古を終えました
by skyalley | 2011-09-17 08:51 | こども・ことば・ひろば
よく見れば 

5歳になったひろくん そうすけくん はのちゃん
4歳になったにのちゃんの4人で
今日の日本語のお稽古「こども・ことば・ひろば」の時間に
押し花を添えて 俳句を書き上げました


春の俳句30句のカードで ゲームを始めたのが二月
みんなが少しずつ憶えられるようになったところで
一ヶ月前「よく見ればなずな花咲く垣根かな(芭蕉)」に因んで
まずはみんなでナズナの花を観察


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三ヶ月間慣れ親しんだ俳句カードの絵に描かれたナズナと
コップに活けられたナズナが同じかどうか
顔を近づけてよく見て 嗅いで 舐めてみて
それからそれぞれ一本を選んで手触りを確かめました


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ナズナは よく知られるようにぺんぺん草の愛称を持っています
ハート型の実が付いている軸を少しずつ下に引いて簪のようにして
耳元で振ると ほんとうにペンペンペンと聞こえるから不思議
子供たちと互いの耳元で鳴らしてから 押し花にしました


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カラッカラに乾いて ペッタンコになった押し花のナズナを
それぞれ紙の上に乗せてから 小さく切ったテープで留めて
それから反対のページにひらがなで俳句を書きました
十七文字は 今まで書いた中で一番長い言葉


「よ」「み」「れ」「な」「ね」
結びのある文字がいくつも入っていて
みんな「むずかしい〜!」「できな〜い!」と言いながらも 
書き上げ お母さん方にも褒めてもらいました
  

  よく見れば なずな花咲く 垣根かな


来週のお稽古からは 夏の俳句30句
早くも初夏の予感の日々
一時間熱中して作業に取り組むことができるようになった
4人の子供たち 夏にはまた一段と生長することでしょう


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by skyalley | 2011-04-29 18:12 | こども・ことば・ひろば
ちがいを受け入れる


3歳からの日本語の教室
「こども・ことば・ひろば」では 今年「対語クイズ」をしてきた
「上があるっていうことは?」
「下もあるぅ!」
「山があるっていうことは?」
「海もあるぅ!」
「みんなが元気でいるということは?」
「びょうきのおともだちもいるぅ!」
「みんなが歩けるっていうことは?」
「あるけないひともいるぅ!」


明後日はクリスマスという日のお稽古
私はそれぞれの子供達の弟・妹の子守をお父さんに頼んで
できれば子どもとお母さんと二人だけで作りたい物がある
と予告しておいた
朝9時半 みんなが集まってきた
孫息子の颯太は私と組んで作ることにした
材料はボタンと麻紐


この一年言葉遊びをしてきた対語を
目に見える形にして
一年の締めくくりの飾りを作りたいと思っていた
クリスマスに贈り物をもらえる子どもがいるということは
もらえない子どももいる ということ
もらうということは あげるということもある
対になっている存在が在る
ということを 受け入れてほしいと願って続けてきた言葉遊びだ


そして考え出したのが この飾り
お母さんといっしょに
ボタンを選びながら 対になるボタンを探して
ボンドでくっつける
穴があるボタンがあるということは 穴のないボタンもある
四角いボタンがあるということは 丸いボタンもある
黒いボタンがあるということは 白いボタンもある・・・


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親子で話しながら 作ってもらった


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      女の子にとってピンクはいつの時代も必要不可欠

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    男の子はカーテンリングや足袋の「はぜ」や 
    糸が付いたままのボタンやバッヂ・・・
    ちょっと変わったのが気になる


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あっという間の一時間

颯太が
フェルトの布を切らぬように袋から出して
麻紐を短く切り
それぞれの布に8本ずつを並べて用意してくれた


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昭和レトロのクッキーの缶に入ったたくさんのボタンは
骨董商を営む葉乃ちゃんのおばあちゃんが寄付して下さった


おかげさまで 今年の仕上げの受業ができた
私の未来さんたち そしてお母さんたち
来年もどうぞよろしく
そして よい年を!

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by skyalley | 2010-12-26 22:00 | こども・ことば・ひろば
伝える練習

3歳からの日本語の教室「こども・ことば・ひろば」で
時々 体を使って文字を作る遊びをする
ひらがなの一字を決めて
上から見て その文字になっているかどうかを
お母さん方に見て頂くのだ


最初は
何も言わずにいきなり ごろん と横になってしまった相棒に
何だかわからないまま その隣に ごろん となって
写真を撮っても 何の字だかさっぱりわからない
という経験を通して
互いに話し合いをしながら 字を作っていくことを学ぶ


デジカメで写真を撮ってもらうときは
真剣そのものの表情
撮られると すぐに起き上がって 
今撮ってもらった写真を見に
昂奮して集まってくる


「じゃ わたしがここの線をするから
 こっち やってね」
「ぼくが ここするから ひろくん ここね」
小さな顔を寄せて
やりとりしている姿がなんともいえず愛らしい


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 「て」の字



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「の」の字



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「く」の字
by skyalley | 2010-11-17 00:12 | こども・ことば・ひろば
地面の上と 地面の下

3歳からの日本語のおけいこ
「こども ことば ひろば」で 先日
柿紅葉(かきもみじ)を使って
4歳のになちゃんと5歳のはのちゃんとで木拓を愉しんだ


葉っぱをノートの下に裏返しに置いて
葉脈を鉛筆でなぞっていく
中央脈を挟んで 右の葉脈が有れば 左にもあること
葉っぱはそのまま木の形となり得ること


木の根方に一本の水平線を引くと
地面の下には根っこがあること
そんな作業を通して
世界が「対」を為していることを体感する


対になっている相手は
根っこのように目には見えないことが多い
けれど 「私が今日 こうやって元気におけいこに来られた」
ということは 「世界のどこかに病気のだれかがいる」証だと捉えること


常に目に見えないもの(者・物)に対して
こころをひろげる習慣を身につけて貰いたい
そう願っての木拓の遊び
最後に 地面の「上」と「下」という漢字も書いてもらった


彼女たちは 私の未来
愛おしく頼もしい未来


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by skyalley | 2010-11-15 12:24 | こども・ことば・ひろば
「こども・ことば・ひろば」
「こども・ことば・ひろば」は
3歳からのにほんごの教室です
話す・聴く・読む・書く この四つの力をつりあいよく伸ばし
母国語である日本語を 
感じ考え行動する つまり生きるための基になる支えとして
遣えるように さまざまな方法を通じて
身に付けて欲しいと思い 開いた教室です


先週の金曜日
4歳の宗祐(そうすけ)君と優仁(ひろと)の二人に
伝わるように「話す」こと を学んでもらうために
体を使ってひらがなを書いてもらうことにしました
最初は「い」の字
私が彼らの上から写真を撮って
「い」に見えるかどうかを 二人に見てもらいました

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あれぇ!? なんじゃこれ?!
宗祐君が「八みたいだね」と言いました
その通り どうして「い」じゃなくて「八」になっちゃったのか
考えてご覧
二人は黙って顔を見合わせています
「さっきは二人共 だまっていきなりごろんと横になったでしょ
 僕はこっちをするから 君はこっちをしてくれる?とか
 話し合って決めるといいと思うけどな」



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 「い」の一画目のはねるところも しっかりできています



こんどは「り」の字を作ってもらうことにしました
「ひろくん こっちのながいの してくれる?
 ぼく こっちのみじかいのするから」と宗祐君が提案する
「いいよ」 ひろ君が納得する

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こんどはいいようだ
私が写真を撮ると 二人は待ちきれず
カメラの近くに寄ってきた
「やったぁ おかあさん 見て見て!」
隣の部屋に控えるお母さん方にも褒めてもらった

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「じゃ こんどは少しむずかしいよ 《に》の字を作ってみようか」
二人は「いろはカード」の「に」の字を見て話している
「ね ね 僕がこれするでしょ
 宗祐君がこれするでしょ ひとり足りないよ」とひろ君
すると宗祐君
「じゃ (妹の)みいちゃんに頼もうよ」
お兄ちゃん達の「お遊び」に入れてもらいたくて
うずうずしていた美音(みね)ちゃんが飛びだしてきた


ひろ君とそうすけ君が考えを言葉にし合って
そしてそうすけ君が美音ちゃんにわかるように指示を出したので
「に」の字は晴れて うまく出来ました
みんな大喜び
「に」の字は ただ三画から成る文字ではなく
一画目をひろ君が長く そして丸みのある線を体で表し
二画目をそうすけ君が短くて少し上向き
三画目をみねちゃんが短くて少し下向き 
一画と一人が結びついたことで
後で文字の姿を思い出しやすければいいな と思っています

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               真剣そのもの! かわいい また来週ね
by skyalley | 2010-09-21 21:38 | こども・ことば・ひろば
「みんなちがって」


日常のことばづかいを大切に
感じる力と考える力のつりあいを
という目標を明らかにした上で
3歳児からの「こども・ことば・ひろば」を開いてから
おかげさまで一年が経った


今では5人の子どもと毎週いっしょに日本語を学んでいる
とはいえ 3歳・4歳の生徒さんに それぞれ妹や弟 それにお母さん
つまり 1人が来る ということは 3人が来る ということである
いっぺんには目が行き届かないので
水曜と金曜日の二日間に分けて来て頂くことにした


しばらく前から
「にほんごであそぼ 絵あわせかるた」を教材に使っている
   雨降って地固まる
   一を聞いて十を知る のような諺
   さよなら三角 また来て四角
   恐れ入谷の鬼子母神 のような語呂のいい言葉
  春はあけぼの 夏はよる
  僕の前に道はない のような詩歌からの抜粋
など さまざまな言葉が
96枚・48組のかるた札に作られている


子供らは速い
すぐに憶える
口に乗せて 心地よいので尚更だ
誰かが問うた時にしか 意味を言わない
ただ復唱してもらう


ある日 子どもたちが着てきた服を話題にしていた
「あたしのは 何々が付いてるの」
「あたしのは 何々・・・」
「何にも付いてないじゃん」
キャラクターと言われる絵柄のことを言っている


またある日は筆記用具について言い合っていた
「消しゴムもあるんだよ ある?」 と隣の色鉛筆セットを見る
「これはまだ新しいけど そっちのはいっぱい折れてる」
褒めるならともかく そうでないなら 
他人の服や持ち物について
どっちがいいの悪いのと とやかく言うこたぁない と私は思う


絵あわせかるたは
一回に15組くらいを適当に選んでいるが
翌週は敢えて 金子みすずの
「みんなちがって みんないい」を新たに足した
椅子の上に3人の子どもに立ってもらってから
それぞれの服について 私が言った
「誰々は 刺繍の付いているスカートだね
 誰々は 絵が描いてあるTシャツ
 誰々は 英語が書いてあるTシャツ
 私のは縦の線と横の線がある格子縞のシャツ
 みんなちがっているけれど みんないいねぇ」


それからかるたをした
何度も復唱した
「みんなちがって みんないい」
そのうち 私が「みんな」と言いかけると
「ちがって みんないい」と被さるようにして言ってきた


それ以来 誰も
自分の服や持ち物と 他人のそれとを比べて
優劣を言うことがなくなった
それどころか
「先生のは水色のしましまできれいだね」
と言ってくれる子どもが現れた


「みんなちがって みんないい」
「みんなちがって みんないい」
繰り返し口にしていると
その言葉が 自身の思いに そして行為に為りうるのだな
と改めて言葉の力に驚かされた


   雨垂れ石を(うが)穿つ
   石の上にも三年
   亀の甲より年の功
   千里の道も一歩から
   棚から牡丹餅


これらの言葉が
かれらの人生において
10年後 30年後 50年後 80年後のある日 ある時
「なぁるほど あのことは このことを言っていたのか」
と思うときがあるのだろうか


徳談会で ピンチヒッターも含めて
二度の講演をして下さった日仏会館理事・小林善治先生は
「How are you? I'm fineなんていうのは
 いつまで憶えていたって たいした役には立たないけれど
 この頃になって(83歳) 
 子どもの頃に復唱させられた論語の一節に
 うぅん なぁるほど! と思い当たることがあるんだねぇ」
と 感心しておられた


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by skyalley | 2010-07-06 22:17 | こども・ことば・ひろば