触ることからはじめよう
by skyalley
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
保育室でのワークショップ

2011年12月3日土曜日の午後 
南青山の「青南保育室」にて
保育士の先生方との 
木のワークショップの機会を頂きました
題して「かたち・きもち・いのち」

①主旨

50億年前に地球が出来たと言われます
6億年前に針葉樹が 1億3500万年前に広葉樹が現れ
ようやく3000万年前に霊長類の一部が類人猿に進化しました

私たちの祖先は経験豊かな木によって
酸素をもらい 雨風を凌ぎ 木陰に眠り 
道具や薬をつくる材をもらい 木の実で養われ
木と しっかりつながって生きてきました

木に寄せる強い信頼 そして深い愛情や尊敬は
現代の私たちの記憶の底に眠っているはずです
「かたち・きもち・いのち」のワークショップで
一枚の葉に触れる愉しさを実感し
参加者自身の深奥の木とつながれるように
そのことが心身の不安や疲れを和らげ 
活力を育み 保育の一助となるように
そう願ってのワークショップです

②内容

まずは子どもの頃の木との思い出を書いてもらいました
いつ? どこで? 何の木と? どんな思い出?
いったい「木のワークショップ」って何だろう
保育とどんな関係があるのだろう 
と訝しく思っている様子の受講者も
遠くを見つめ 子どもの頃の自分になって
木との最初の関わりを懐かしそうに記してくれました

次に「木」という字の成り立ちを話しました
木の象形文字は幹を中心に地上と地下
つまり本来なら見えていないはずの根も描かれている字です
私はこのことを小学校3年生の時 恩師に教えて頂き
古代の中国人の物の見方にとても感動したものです


f0085284_917276.jpg



鉛筆を持つようになって すぐに父に教えてもらったのが
木肌に紙を乗せて 木目を写し取る遊びです
私はそれが大好きで 折に触れずっと愉しんできました
実際に旅先や仕事先 日常生活の中で
描いてきた「木拓」とそして「葉拓」を見せ
葉っぱもすでに一本の木であることを再認識してもらいました


f0085284_9202531.jpg



用意してきた葉っぱ三種類とダーマトグラフ(鉛筆)を使って
巻紙に早速葉拓を試してもらいました
隣り合う人と話し合いながら 
行ってみたい森を葉っぱで作ってみようと促すと
皆すぐに手が動き出しました

葉拓のよいところは 絵の上手下手に関わらず
自然の美しさを誰にでも写し出せることです

f0085284_9221883.jpg


        
「わぁ きれい!」「あ ほんとに葉っぱが木に見える!」
「ずっとやっていたい感じ!」
「葉っぱの模様って すごく細かいんだね!」
すぐに実感のこもった言葉が受講者から洩れたのは嬉しいことでした 
    
f0085284_925116.jpg

f0085284_9252557.jpg


朝のうちの雨もすっかり上がって やわらかな日差しになり
すこしずつ森が出来上がってきました

ダーマトグラフの黒に飽きたらず 
さらに色鉛筆で描き足していきます  

f0085284_9273217.jpg

f0085284_9274948.jpg



f0085284_9291316.jpg



このワークショップの後に 
互いに切磋琢磨し保育観を発表することになっていた受講者も
葉拓を愉しんでいる間は 
その重責を忘れ 
色とりどりで活気にあふれた森を描いていました


40年間に11カ所の保育施設での
貴重な経験を積んでこられた新人研修の講師
今井明代先生の手も シャカシャカシャカと軽やかに進みます

f0085284_9303626.jpg


私はあちこちのテーブルを回りながら 色々な森が出来ていくのにわくわく

f0085284_9331371.jpg


途中で各グループの作品を掲げて見せ合うことで 
また刺激を得られるようにしてみました

f0085284_9341486.jpg

      
こうして思い思いに各自が森を描いたところで 
隣の森との繋がりや色などに工夫をしているうちに  
40分後 ようやく作品が出来上がりました

f0085284_9363986.jpg

f0085284_937269.jpg

f0085284_9365245.jpg



③ まとめ

「木」という象形文字が表すように
● 見えないものを観ようとすること
「根」の存在をあらためて意識することで
● 見えるものは見えないものに支えられていること
「葉」という形がすでに「木」の形になっているように
●小さな一人であっても 
  その存在はすでに社会の一員としての責任を担っていること  
「葉拓」をして 
●じかに触れてみることで 
  さまざまなことがより強く実感できること
「葉拓」をして隣り合う人と森を作ることで
●関係作りをするには話し合うことが大切であること


この「かたち・きもち・いのち」ワークショップを通して
保育にも役立つであろう知恵を木から学ぶことはできると思います
しかし まずは葉拓を通して受講者の皆様が 
ワークショップ中に味わった
「木に寄せる強い信頼 そして深い愛情や尊敬」を甦らせ
木と身近に関わる習慣を大切にすることを願ってやみません


今回のワークショップは今井先生とのご縁に導かれました
30年ほど前に先生と私は同じ世田谷区内の保育園に
それぞれ二人の娘を預けていました
卒園後 お会いすることはありませんでした

それが 孫息子が3年前にその保育園に入園を希望したとき
何と今井先生は園長先生として戻り 
務めていらっしゃいました
そして今年定年退職 

しかし培った貴重なご経験を 
そのままにしておく先生ではありませんでした
株式会社アソシエ・インターナショナルが経営する
託児所の研修講師として復活
退職後一度 
馬事公苑でいっしょに愉しんだ葉拓を思い出し
研修の一部として
WATCH+TOUCHのワークショップを招いて下さったのです
縁とは本当に不思議なものです
 


ワークショップの日は 
数日前の小春日和がうそのような12月の午後
冷たい雨の中を 
私たちは大きく重たい荷物を持って
青南保育室へ向かいましたが
帰り道は春の宵のように 身も心も軽く温かでした


ワークショップ実現の道程をていねいに運んで下さった
事務方の皆様に心より感謝致します
受講して下さった若い40数名の保育士を 
いつも木が見守っていてくれますように
                                  
④ おわりに

ワークショップの始めに
受講者に子どもの頃の木の思い出を書いてもらった
A4サイズのワークシートには
実はワークショップの前後に
「はじめに」そして「おわりに」と題して木の絵を描いて頂きました
木との思い出を持たない方は いつものことですが一人もなく
1時間半のワークショップの前後の絵を比べると
全員が「はじめに」は一本の木だけを描いていますが
「おわりに」描いた絵にはほとんどに長い根が生え
そして隣り合った人と工夫をし 
苦心しながら森を作っていった印象が強く残ったのでしょう
一本の木は 数本の森に描かれていました


f0085284_9584222.jpg
f0085284_9583197.jpg
f0085284_9581894.jpg
f0085284_9575365.jpg
f0085284_9574139.jpg
f0085284_9572550.jpg
f0085284_9571148.jpg

  
by skyalley | 2011-12-10 10:10 | 木拓
<< 第3回「一枚の葉を森へ」学習会... 毎日どこかで >>