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保育園に孫息子を迎えに行った 自転車に乗るとすぐに訊いてきた 「こっくん(祖父)は〜?」 「学校に行ったよ 朝 お見送りしたでしょ」 「おえんきょ〜(勉強)してるかな〜」 「してるよ 一所懸命してるよ」 「ぽちぽちぽち のおえんきょ〜?」 「ぽちぽちぽち?」 「うん ぽち ぽち ぽちって」 孫息子の手つきで それが オットが今 習得しようとしている 点字の勉強のことだとわかった 「あ〜 点字ね 点字のお勉強ね してるよ ぽちぽちぽちって あれはね 目が見えない人のための字 颯太は目が見えるから 字を目で読むでしょ 目が見えない人は あのぽちぽちぽちを指で読むの」 「ゆびで〜?」 「そう 目が見える人は目で字を読むけど 目が見えない人は 指で字を読むの」 「ゆびで〜?」 指で字を読むということが 彼にはよく理解できない 何度も 「ゆびで?」 と訊いてきた 家に帰り 豆乳をコップ一杯勢いよく飲み干すと 「やる〜 てんじ やる〜」 もう点字という言葉を覚えている 私用に オットに学校で買ってきてもらった点字器を出して 紙を入れ 使い方を教える 「そうちゃんが! そうちゃんが! (自分でする)」 と大興奮 黙々とぽちぽちぽちを繰り返していた 彼が通っている保育園は そもそもが自閉症児のための施設 世の中には いろいろのひとがいる ということを彼は知る 点字をずっと学びたいと思っていたら オットが鍼灸師になるための学校へ入れて頂いたことで 55歳にして 私は初めて点字を打つことができた 3歳にして颯太は点字器に触れ 「きのう(明日のこと)もする〜 てんじ〜」 と言いながら 凹凸を指で触れてみたりしている
by skyalley
| 2009-05-12 10:11
| うちのひとびと
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